ほとんどの腕時計は電池で動く電池式腕時計です。この腕時計の中には水晶(クォーツ)が入っていて、そのことから「クォーツ式腕時計」とも呼ばれます。なぜ正確に時間を刻むのかについて気になったことはありませんか?
そこで今回の記事では、そんなクォーツ式腕時計がどのようにして正確な時を刻んでいくのかについて紹介していきたいと思います。
目次
腕時計の種類
まずは腕時計の種類について。
腕時計の分け方にはたくさんの観点がありますが、時の刻み方から大きく2種類に分けることができます。
機械式腕時計
まずは「テンプ」と呼ばれる装置によって時を刻む方式の腕時計のことを「機械式腕時計」といいます。
このテンプとは、上の写真の1時方向の金色の環っかの部分で、これは渦巻き状に巻いたばねによって規則正しく時を刻んでゆきます。この添付の動きが歯車を通じて秒針や分針に伝わっていくというものです。
昔からある方式であり、現在でも少し高い腕時計の多くでこちらの方式がとられています。
しかし時間の精度はそれほど高くはなく、多くのもので一日あたり1分、高級品でも10秒ほどはずれてしまいます。
電池(クォーツ式)腕時計
続いて今回の記事の主役である「クォーツ式腕時計」。
これらの時計は電池式であり、その名の通りクォーツ(クオーツ)によって時を刻みます。
クォーツとは水晶のことであり、
↑こんなイメージです。分子式は SiO2 です。
これに電気を通して振動させます。何のことかよくわからないかと思いますので、この後に詳しく書いていきたいと思います。
時を刻む仕組み!
それでは、本題である「時を刻む仕組み」について紹介していきたいと思います。
1.水晶に電気を流す
まずは水晶に電気を流します。
このために腕時計の中にはボタン電池やソーラー電池が入っています。
水晶に電気を流すことにより、水晶は一定の振動数をもって振動します。分かりやすく言いますと、電気を流すと規則正しく震えるといった感じでしょうか。
(ちなみに、この現象を圧電効果といいます。理系出身の方なら知ってて当然…?!)
腕時計に入っている水晶は人工のもので、振動数は32,768Hz(=215Hz)という一秒間に3万回以上の大変早い振動をします。(ちなみに、機械式腕時計のテンプは通常4Hzとなっています。)
この振動数は固有(変わらない)ものであり、この振動を感知することによって時間を刻んでいきます。
2.”IC”で振動を感知する
続いて、水晶の振動を「IC」を用いて感知します。
ICとは「Integrated Circuit」の頭文字で、集積回路という訳になります。
ここでは難しいことは説明しませんが、この回路(電気の通り道)によって水晶の振動を数え、32,768回振動した時を「1秒」として「コイル」に電気を流します。このコイルによって…
3.コイルによってモーターを回す
ICからコイルに電気が流されます。
この電気が流れた際、どのようなことが起こるか覚えているでしょうか…?
「右ねじの法則」というものを高校物理で学習したかと思いますが(覚えている方はごく少数でしょう)、電気をわっか状に流した時に中心には「磁場」が発生します。磁石を想像していただけるとわかりやすいでしょうか。
この磁場はまた、モーターにかかると電気が流れ、モーターを回転させるのです。
このモーターの回転が1秒に一回起こることにより、秒針は1秒に1回進むようになるのです。
4.秒針から分針・時針へ
以上のようにして秒針が動くことが分かりましたでしょうか。
そこからは皆さんある程度想像がつくでしょう。歯車のかみ合わせにより、秒針の動きは分針へ、そして分針の動きは時針へとつながってゆきます。
まとめ
仕組みは意外と簡単!
あまり良く知らないであろう時間を刻む仕組み(私もあまり良くは理解していませんでしたが(笑))。
しかし、仕組みはそこまで複雑なものではありません!
皆さんの多くが使用している「クォーツ式」腕時計も、「機械式」腕時計も仕組みはあまり変わらないともいうことができるでしょう。
今回は簡単に紹介をしてみましたがいかがでしたでしょうか?
この紹介を機により一層腕時計に興味を持っていただけたら幸いです。
ご覧いただき、ありがとうございました。